月: 2020年4月

多様性の尊重とビジネス

ビジネスの世界では、ますます人文学の素養が求められるようになると言われています。それはユニークな発想を必要とするからです。リベラルアーツを身に付けた人材には色々な引き出しがありますし、他人の意見を尊重することが出来ます。つまり多様性に理解があるのです。多様性は社会が重視する価値でもあるため、企業が組織としてリベラルアーツを評価すれば、社会に受け入れられやすくなります。では多様性とは具体的にどのような概念を言うのでしょうか。ビジネスの世界に限らず、ある問題を解決するためには、物事の本質を探り当てなければなりません。この本質を見極めようとすると、どうしても様々な観点で観察する必要に迫られます。つまり多くの視点を持つことが出来れば、具体的な課題が見つかりやすくなるのです。この問題解決プロセスこそ、多様性を重視した結果成立するものです。多くの視点を持つというのは、簡単に言えば自分の常識に囚われない態度を指します。様々な知識を蓄えることで、自分の常識を疑えるようになります。そうすれば、単に論理力に優れているだけの社員と競争した時、差をつけることが出来ます。ビジネスにはロジカルシンキングも必要ですが、全体的な設計において審美眼も求められるからです。とはいえ、ロジカルシンキングが出来ることは前提ですから、まずは論理力を身に付けることが大切です。特にエンジニアには欠かせない能力であり、課題設定する際にも問われるものです。ロジカルシンキングは大学卒業程度の知性があれば、訓練次第でその能力を高めることが出来ます。ですから研鑽を積んでいる社員同士が争っても、それほどの差は生まれないでしょう。ロジカルシンキングをクリアできれば、後は構想力が求められることになります。この構想力は上述したように審美眼に近い概念ですから、デザイン力と換言してもよいでしょう。デザイン力は創造力の高い人が有している能力であり、ビジネスの世界ではそれを実践の場に活かすことが必要です。